はじめに
テレビなどでも活躍する経済アナリストの森永卓郎さんは、ライザップのダイエットプログラムを利用して大幅に体重を落とし、糖尿病を改善したことで注目を集めました。しかしその数年後、膵臓(すいぞう)がんが見つかり、闘病生活に入ったと報じられています。一部では「ライザップのような厳しい糖質制限が原因なのではないか」という話もあります。本記事では、その可能性や医学的な見方を中学生にもわかりやすく解説します。
森永卓郎さんが行ったライザップでのダイエット
2016年ごろ、森永さんはライザップの短期集中ダイエットに取り組みました。週2回の筋力トレーニングと、米・パン・麺類・果物といった糖質の高い食品をほとんど食べない方法で、わずか2~2.5か月ほどで約20kgもの減量に成功。深刻だった糖尿病の数値も大きく改善し、その後6年ほど体重のリバウンドもなかったといわれています。
ライザップ式のダイエットは短期間で成果が出やすい一方、栄養の偏りや運動の負担が懸念されることもあります。それでも森永さんにとっては、健康面で大きなメリットがあったと語られています。
糖質制限と膵臓がんの関係
森永さんの場合
森永さんが膵臓がんだと判明したのは、医師に「体重が少し落ちている」と指摘されたことがきっかけといわれています。検査を受けたところ、がんが見つかりました。膵臓がんは「サイレントキラー」と呼ばれ、症状が出にくく、原因を特定するのが難しい病気です。
インターネット上では「急激なダイエットが膵臓がんを引き起こしたのでは?」といううわさもありますが、森永さん本人や主治医が糖質制限を原因と断言したわけではありません。むしろ、糖尿病を克服できた点を評価する声もあります。
膵臓がんの一般的な原因
医学的には、喫煙(たばこ)、肥満、糖尿病、慢性膵炎、家族に膵臓がんの人がいる場合などがリスク要因となります。糖質制限そのものが膵臓がんを増やすという明確なデータは確認されていません。逆に肥満や糖尿病を改善できれば、膵臓がんのリスクを下げる可能性もあると考えられています。
ただし、糖質を減らしすぎて肉や油(脂質)を過剰に摂取すると、別の健康リスクが高まるおそれがあります。何よりも食事全体のバランスが大切です。
ライザップ式ダイエットのメリットと注意点
ライザップのように短期集中で結果を出す方法には、次のようなメリットとリスクが指摘されています。
- 栄養バランスの偏り:糖質を極端に減らすことで、ビタミンや食物繊維が不足しやすい。
- 体調不良:糖質を大幅にカットした直後は、めまいや疲れなどの不調が出ることがある。
- 筋肉や関節への負担:急に運動量を増やすと、怪我や痛みのリスクが高まる。
- 精神的ストレス:こまめな食事制限や報告などにプレッシャーを感じる人もいる。
- 長期的な影響が未知数:糖質を長期的に大幅制限したときの安全性は、まだ研究されている途中。
正しい指導のもとであれば、生活習慣病の予防や改善に大きな効果が期待できます。ただし、「やりすぎないこと」と「医師のアドバイスを受けること」が非常に大切です。
同様の事例はある?
「糖質制限で膵臓がんになった」という報告は、医学的にはほとんど見られません。むしろ糖質制限で糖尿病などが改善した例のほうが多く、森永さんのケースもあくまで時期が重なった偶然の可能性が高いとされています。膵臓がんはそもそも原因が判別しづらい病気で、単一の要因だけで発症するわけではないといわれています。
まとめ
森永卓郎さんはライザップによる厳格な糖質制限で劇的に体重を落とし、糖尿病を改善しました。しかし数年後に膵臓がんを発症したことから、一部で「糖質制限が原因では」という声が上がりました。現時点では医学的根拠がないため、ライザップ式ダイエットと膵臓がんを直接結びつける証拠は見当たりません。
膵臓がんには喫煙や肥満などさまざまなリスク要因があるとされ、適度な糖質制限はむしろ肥満や糖尿病を改善するメリットが見込まれます。ただし、極端に糖質を減らしすぎたり、肉や脂質を摂りすぎたりすれば健康を損ねる恐れもあるため、バランスの取れた食事を意識することが重要です。
もしライザップのようなダイエットを始めるなら、医師や管理栄養士のアドバイスを受けながら、自分に合った方法で無理なく進めましょう。森永さんの経験から学べるのは、ダイエットと健康管理は切り離せないということです。大幅な減量を目指すなら、定期的に検査を受け、体の変化をきちんと確認する姿勢が大切だと言えます。
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